松田軽太の日記

企業の情シスで働いています。このブログでは読んだ本など思いつくままに書いています。

築41年の中古マンションの資産価値が上がり続ける秘密

こんにちは!松田軽太です。

 

萩原博子氏の著書「生き返るマンション 死ぬマンション」から再び考えてみたことを書きますね。

 

 

 

この本の中で僕が参考になると思った事例は第7章の築41年の中古物件なのに資産価値が上がり続ける秘密です。

 

僕もマンションの理事会に参加しているので、資産価値を維持することには興味津々です。

 

中古マンションを売却する上で高値で売れる条件はといえば、まずは立地と言われています。駅から徒歩距離ができれば5分以内、遠くても10分以内と言われています。 

 

不動産業界で徒歩1分は80メートルという単位なので、徒歩5分以内ということは400メートル以内、10分以内とは800メートル以内です。

 また築10年以内が人気だと言われます。 

 

この条件から外れると、値段も下がっていくわけです。

まぁ、マンションは駅の人気とかいろいろ条件が違うので全ての物件があてはまるわけでもないんでしょうけど、一般的にはこういうことになるわけです。

 

では本題の事例の紹介されたマンションですが京都の西京極大門町の「西京極大門ハイツ」です。

 

このマンション、駅から近いのかというと徒歩10分なので、すごく近いわけでもなく、築41年なので旧耐震物件です。

 

普通に考えると資産価値が上がるような条件はありません。

 

しかし資産価値があがるということは、勿論、このマンションは様々な取り組みをしているからです。

 

何もせずに自然に資産価値があがるなんてことはないわけです。

 

ということで西京極大門ハイツでの活動をざっと書き出しましょう。

 

隣の敷地を管理組合が購入

京都の景観条例の強化によって、高さ制限に引っかかり既存不適格物件になってしまった。

ということは建て替えをすると部屋数を減らさなければいけなくなります。

そこで管理組合で隣接地取得等検討会が発足し、用地買収を検討し始めたそうです。

 

そのような準備を進めていたおかげで2008年に隣接するスーパーが閉店するということで、その土地を1億4000万円で建物ごと買い取り、1階を飲食もできるようなコミュニティルームに、2階をミニ図書館とし、近隣の住民にも解放し、3階をゲストルームとし1泊2000円で提供しています。

 

マンションの修繕工事をインターネットで公募 

西京極大門ハイツでは修繕に掛かる費用を抑えるために「西京極大門ハイツ式管理費節約術」を編み出したそうです。

 

通常、大規模修繕を行う場合は管理会社や設計事務所のコンサルに委託しますが、その費用を節約するために全ての工事をインターネットで公募しているのです。

 

マンション内にプロの建築士でもいるのかと思ったら、みんな建築のど素人とのことです。それでもそれができるのは、マンションの状態を自分たちで把握しているからです。管理会社任せにしていては、こうはできません。

 

280万円の電気代を節約 

高圧一括受電により10%節約し、屋上防水工事では断熱材を施設し、全戸の窓ガラスを真空ガラスに交換、2013年には太陽光発電を設置し年間80万円の売電収益で10年で費用は回収できるそうです。

 

2014年には国土交通省の助成で190戸全ての外壁に外断熱工事を実施し、個人の部屋の電気代も4割も下がったそうです。

これらの工事を全て管理組合が計画に行うことで各戸から徴収はなく、すべて管理費でまかなっているそうです。

 

給排水管工事を一括工事ではなく各戸で行う

その際に管理組合が工事資金として38万円を提供するという、逆転の発想です。

 

住民が出て行く理由をつぶす

これらのグレードアップ工事を自己負担なしで実施することで、古いマンションでありながら、不満がなくなるので住民が出て行かなくなるのです。

 

管理費はきっちり徴収する 

住民がこれらのサービスを受けるには管理費をキチンと徴収することが大前提ですが、滞納すると日割りで遅延損害金をとることを徹底しているそうです。

 

管理費は3ヶ月も溜まると、なかなか払いにくくなります。

しかも管理費を滞納するということは生活が困窮している可能性が高いので、住民の生活状況に気を配ることにもなります。

 

管理費の徴収はキッチリ行うが、余剰金が出たら毎年2ヶ月分相当の管理費還付金を各戸に還元しているそうです。

こんなマンションは初めて聞きました。

 

マンション独自のリバースモーゲージ制度を設置 

マンションの住民の暮らしを他人事とは考えない、という方針のもとに、生活困窮者に対しては管理組合が部屋を担保にお金を貸す「リバースモーゲージ制度」を儲け、マンション価格の8割を上限に管理組合からお金を借りることができる。

 

こんなことが可能なのも、管理組合が各部屋の情報を詳細にパソコンで管理しているからだという。ペットの飼育、喫煙していた部屋かどうかという情報も管理。

 

マンション価格の8割の融資上限を越えて、払えなくなったら買い取り価格で管理組合が部屋を売却するという。

金融会社からお金を借りて返済できなると築41年のマンションは二束三文で売却されてしまう。そうなると必然的にマンション全体としての資産価値が落ちてしまう。

そこで管理組合が買い取り売却すれば値崩れも防げる。

 

マンション販売用に管理組合がパンフレットを作成 

不動産会社は多くの物件を扱っているので、個別のマンションについての情報を知らない。そこで売却したい住民が管理組合に相談にくると、マンションの管理状況も含めた詳細情報を乗せた販売用パンフレットを1部3000円で販売しているという。

 

高齢者の親睦会「きずなの会」

2ヶ月ごとに昼食会としてカレーをみんなで食べて親睦を図る。カレーはレトルトで一食100円。40人の高齢者が参加する。

 

コミュニティ委員会の運営 

年間100万円の予算でヨガ、卓球、ビアガーデン、花見、クリスマス会を実施し、近隣のきずなを強めることができる。

 

建て替えは等価交換で実施を計画 

築50年での立て替えを視野に入れて、近隣の公団住宅で同じ時期に取り壊すところと交渉し、取り壊した公団の土地に西京極大門ハイツが立て替えし、公団には現在の土地と交換してもらう。これによって高齢化下住民が引っ越すのが一回だけですむという。

 

と、ここまで西京極大門ハイツの取り組みを紹介したが、すべてはそこに住む住民が何を求めているのか?という視点で管理組合を運用しているのが原点です。

 

あぁ、こんなマンションなら僕も住みたいなぁ~。