松田軽太のブロぐる

企業の情シスで働いています。会社の中では何をしてるのかナゾな職場の情シスあるあるなどや読んだ本のことなどを思いつくままに書いています。

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『ハーバードが絶賛した新幹線清掃チームのやる気革命』を読んでみた

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新幹線って日本の最先端技術を集めて作られた高速鉄道で、その品質の高さはスゴイですよね。


こんにちは!松田軽太です。


しかしこの本では地味な新幹線の清掃という仕事がハーバードビジネススクールで取り上げられたと紹介されています。


この本を読むまであまり考えたことはなかったのですが、新幹線の社内清掃って停車している間に行わなければならないんですよね。


その時間はわずか7分です。


ハーバードからは「セブン・ミニッツ・ミラクル」と賞賛されています。


この短い時間に
・一両100席の全ての座席を直す
・座席まわりのゴミを捨てる
・窓のブラインドを上げて窓枠を拭く
・トイレの詰まりを直す
という作業を7分の間に22人で行うわけです。

新幹線の清掃を請け負っている会社はJR東日本テクノハートTESSEI(テッセイ)です。

ではテッセイの売っている商品はなんでしょう?

普通に考えたらテッセイの商品は「新幹線をキレイに清掃する」です。
まぁ、清掃を請け負っている会社だから、そりゃそうですよね。

しかしテッセイの社内では自分たちの商品を「旅の思い出」と定義しています。

新幹線の車内清掃だけに限らず、縁あって旅の途中で出会った人たちの手助けをすることなのです。

矢部さんは2005年に異動でテッセイに来たとき、今のようにスタッフが活き活きとした会社ではありませんでした。

まぁ、確かに清掃業務って裏方の仕事のとしては、かなり地味ですよね。
そして仕事内容も「キツい、汚い、危険」のいわゆる3Kな職場だと思われてました。

ましてや新幹線であれば運転士とか車両デザインの方がキラキラしていますしね。

鉄道という事業の特性上、キチンと安全を管理する必要があり、本社が決めた規定を守ることが仕事だと考えられていました。
規定を守って粛々と掃除するという働き方です。

しかしどうせなら働きがいある会社で働いた方が生き甲斐がありますよね。

テッセイには地味な仕事にマジメに取り組む社員が多くいました。
そこで矢部さんはテッセイの目的って何だろうと考えました。
すると「お客様に新幹線を気持ち良く過ごしてもらうためのサービスを提供することが仕事の目的」だと気が付きました。

また社員の意識を変えるだけではなく、お客様にも掃除のオバサンという認識を変えてもらうために敢えてファミレスのような洒落た制服にかえました。

するとお客様もテッセイのスタッフも意識が大きく変わりました。新幹線のホームで気軽にお客様が相談できるようになったのです。

こういう変更ってたいてい本社から「コストが掛かるだけムダ」とか「君らは掃除だけしてればいいだろ」とか言われて実現しないことが多いですよね。

「管理」というと「作業をマニュアル通りにやって、それ以外はやらないこと」というように上から押さえつけることが多いです。

もちろん規律は大切ですが、しかしそれだけでは職場が息苦しくなってしまいます。

■テッセイがやったこと

とうしよ、テッセイでは約6割がパートでした。そのため1年で何人ものスタッフが入れ替わりました。人が変わればまた1から仕事を覚えなければならないので、ミスも増えるし、クレームも頻発します。

そこでテッセイは20歳以上で1年以上のパート勤務があれば誰でも社員採用試験を受けられるように舌のです。

■スタッフ全員でつくる新幹線劇場

手早く7分で新幹線を手際よく清掃する姿を人々は新幹線劇場と呼ぶようになりました。
新幹線を了承するお客様に気持ち良く楽しい思い出を作ってもらうことがテッセイの日常になったのです。

それはただの清掃員からサービス業への転換となったということです。それにより誇りと生き甲斐を持てる職場となりました。

■スタッフの意見を聞く

現場スタッフの意見はお客様目線での意見といえます。そこでそれらの声を拾う仕組みを設けました。すると実際にすぐにお客様に役立つアイデアが出てきました。

・ゴミ袋が厚すぎるのでは?という意見をキッカケに調査した結果、暑さを薄くしたら年間2000万円のコストダウンができた。

・駅構内になかったベビー休憩室を設けた。

・新幹線は男女兼用のトイレしかなく、女性が入りにくかった。そこで新幹線に女性専用トイレを設置した。

これらの意見がテッセイのスタッフから出された提案でした。まさにお客様が求めていた内容だったのです。


■トップダウンとボトムアップ

以前のテッセイではスタッフを規制するだけで、スタッフの意見を聞くことはありませんでした。いわゆるトップダウンの指示系統です。

それだけでは言われたことだけをやるだけの集団になってしまいます。

スタッフ一人一人が仕事をよりよく変えていくために本気になって取り組むにはボトムアップが必要なのです。

テッセイのとって大切なのは
・「規律のなかの自由
・明確なトップダウンとボトムアップ
・リスペクトとプライド
・あたたかさ、厳しさ、公平さ
の4つの基準が重要なのです。

■新幹線に乗るということ

新幹線の乗車料金は数万円です。ホテルに宿泊する料金よりも高いのです。だからテッセイではお客様が新幹線で心地よい時間を過ごせるとこを心がけているのです。

それこそがテッセイの一番大切な商品なのです。

この本を読むまで新幹線の清掃がこんなステキな職場だとは思いませんでした。

やりがいと成長とチームワークを学べる職場なんて世の中にそうそうありません。

僕もちょっとこの会社で働いてみたくなりました。

まんが ハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命

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